【キャニオンズ】日本の大自然で、高単価のコト消費・体験アクティビティをつくる方法

成長率が高いアドベンチャーツーリズム

モノ消費からコト消費へ移行中の日本のインバウンド市場。世界視点でみると、コト消費の中でもアドベンチャーツーリズムが急速に成長していると国連世界観光機関(UNWTO)は報じています。

Tourism is one of the most rapidly growing sectors in the world, and adventure tourism is one of its fastest growing categories. Increasingly, countries in all stages of economic development are prioritizing adventure tourism for market growth, because they recognize its ecological, cultural, and economic value.

(出典:UNWTO  Global Report on Adventure Tourism 2014 P10)

 

アドベンチャー型コト消費は富裕層を惹きつける

アドベンチャーツーリズム市場を牽引するのは富裕層です。彼らはモノ消費においてはある程度充足しているため、エキサイティングで本物の体験を求めています。

客単価も高く、1人平均して約30万円(3,000ドル)というデータもあります(出典:国連世界観光機関のレポート)

では我が国においてどんなアドベンチャー型コト消費が実現できるのでしょうか?

 

群馬県みなかみ町のキャニオンズ

1つの答えが群馬県みなかみ町にある「キャニオンズ」です。

IMG_0092

 

こちらキャニオンズの体験メニュー表なのですが、プレミアムな価格にも関わらず多くのお客様を集めています。

IMG_0136
コース レベル 時期 時間 料金
スライダー 初級 8月 3-4時間 8,500
ラフティング 初級 7-10月 3-4時間 9,000
スライダー 中級 4-10月 3-4時間 9,500
ロープ 中級 7-10月 3-4時間 9,500
スライダー 上級 4-10月 3-4時間 10,500

単体メニューだけでなく、宿泊・バーベキューが含まれたセットプランも¥15,000~用意されています。

(出典:キャニオンズ公式HP

なぜこれほどの高単価を実現できたのでしょうか?

ワールドクラスの自然

みなかみ町は原生林が多く、手が入っていないありのままの自然が残っている地域です。

IMG_0095

この素晴らしさはワールドクラスであると気づいたのがキャニオンズ創始者マイク・ハリス氏でした。

元々長野県の白馬に住んでいたハリス氏は、ニュージーランド人の知り合いからみなかみの存在を教えてもらい、ラフティングを実施。

「これは凄いぞ!」と身を持って体感したことがきっかけで2000年に本格的なツアーを開始しました。

(出典:キャニオンズHP

 

当該地域に住んでいる人によって当たり前のことが外国人目線でみると世界レベルに達していたという事例は多々あります。

参考:世界一の日本の雪質を求めて大金を落とすオーストラリア人

 

プロレベルのスタッフ・装備を揃える

キャニオンズで提供されているメニューはどれも本格的なものばかり。

 

ただエキサイティングな分、危険度も高まります。その事故のリスクを防ぐのが、充実した装備と経験豊富なスタッフ陣。

IMG_0141

 

  • ウイルダネスファーストエイド
  • CIC キャニオニングガイド(世界キャニオニング委員会)
  • 普通救命講習

といった有事の際に迅速に対応できる有資格者を多数揃えています。もちろん外国人スタッフも多数在籍しています。

 

プレミアム市場の開拓

キャニオンズのプロモーションはSNSはもちろんのこと、密な人的ネットワークも活用しています。

 

都内5つ星ホテルへの集中セールス

訪日外国人の中には、予定を決めていなかったり、突発的に時間が空いた人が一定数います。5つ星ホテルの場合、コンシェルジュがその方たちの相談に乗ります。

そこでキャニオンズは、ただパンフレットを置いてもらうだけではなく、コンシェルジュレベルまでしっかりプロモーション。

訪日外国人からコンシェルジュに相談がきたら、キャニオンズを紹介してもらい、その場ですぐ予約までできる体制を構築しました。

結果、5つ星ホテルに宿泊した富裕層の送客率を飛躍的に高めているのです。

concierge-vector

インターナショナルスクールの教育旅行

キャニオンズは東南アジアを中心としたインターナショナルの教育旅行市場にも力を入れています。この市場には

  • 旅行シーズンの閑散期に需要があるため稼働が安定する
  • 子供から評判を聞いた親御さんがリピーターになってくれる可能性が高い

という特長があるからです。

 

ただ教育旅行は生徒の安全性が第一のため審査も厳しい。ですので地道に実績を重ね、先生同士のクチコミによってキャニオンズの魅力を広めています。

 

リピートしたくなるプログラム

キャニオンズが提供する体験メニューには初心者~上級者向けまでレベル分けされています。またリピーター限定のスペシャルツアーや認定バッチ制度もあり、1度では満足できないような仕掛けが用意されています。実際にリピーター率は非常に高い水準にあります。

pricetable

(出典:キャニオンズHP

想い出を形にするサービス

エキサイティングな体験をしたら誰かに話したくなりますよね!そこでキャニオンズは当日スタッフが撮影した写真や動画を、各ログインページの管理画面でダウンロードできるようにしています。

(出典:キャニオンズHP

 

さらにダウンロードした動画を各自のSNSでシェアしてくれたらランチを無料にするキャンペーンも展開。お客様の満足度とプロモーションを両立させています。

 

このような想い出を形にするサービスは、品川の人気アトラクション「マリカー」においても見受けられました。コト消費を象徴するサービスですね。

 

 

アドベンチャー型コト消費のメリット

みなかみ町のキャニオンズの事例を見ていただいてお分かり頂けるように、アドベンチャー型コト消費はインバウンド市場において大きなメリットを有しています。具体的には下記のとおりです。

高単価

非日常体験であるほど人は多くの対価を払います。他で同様の体験をすることができないからです。

 

地方で展開可能

自然を活用した体験メニューは都心では実現できません。地方だからこそ展開できるコンテンツです。

 

持続可能

自然を活用した体験コンテンツは、現場にダメージを与えない限りは何度でも実施することが出来ます。

 

柔軟なメニュー設計

宿泊やバーベキューもセットにしたり、周辺温泉に送客したりとメニュー内容を柔軟に設計することが出来ます。結果的に周辺施設への経済波及効果が高く、地域活性化に大きく貢献します。

 

実現のために必要なこと

注意したいのが、世界レベルの自然を発見すればアドベンチャー型コト消費は簡単に実現するわけではないということ。周辺地域との連携や入念な準備が求められます。

 

公式・非公式飲み会による地域連携

施設単独でのコンテンツ提供は限界があります。特に外国人であるハリス氏は公式の集まりだけでなく、非公式の飲み会を開催して地域住民とこまかくコミュニケーションをとることが重要と感じています。

実際海外の教育研修旅行を受け入れるにあたって、日本の文化体験もしてみたいという需要があったのですが、地域と協力して「和太鼓」や「田植え」」といったワークショップを開催することが出来ました。

IMG_0098

▲ハリス氏の地域への功績が評価されてマンガ冊子まで作られている

 

プロレベルの装備と人材

ハリス氏いわく、日本でラフティングを行う会社は約200社あるが、世界に通じる品質を有しているのはわずか10社とのこと。

理由は、エキサイティングな体験メニューを行うために必要な経験豊かな人材と装備が足りていないから。

 

大自然があって、アルバイトで人材を確保し、装備もほどほどに揃えておけばアドベンチャー型コト消費は簡単に作れる、という浅い認識で参入すると痛い目を見ることになるでしょう。

 

まとめ

インバウンド市場はこれからどんどん地方に波及していく流れにあります。そこでコト消費を実現するにあたっては地域が抱える大自然は重要なコンテンツ。

それを輝かせるためには

  • 外国人目線の導入
  • 人材・装備の充実

が欠かせません。地域ブランディングを生業とする弊社としては、資源を発見しそれを輝かせるお手伝いができればとてもうれしく思います。

 

今日の一句

 ”大自然 生かすも殺すも 人次第”

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter で地ブラ_インバウンド情報局をフォローしよう!

世界最大級の旅行博 ツーリズムEXPOジャパンに出展。


期間:2017年9月21日(木)~24日(日)
場所:東京ビッグサイト(東京国際展示場)  東7ホール ブース番号 W 16-06