【集客戦略】台湾人観光客はなぜ団体旅行から個人旅行(FIT)へ急速に変化したのか?

台湾の旅行会社が悲鳴をあげていた

2016年8月、台湾の旅行会社を訪問すると、ある動きが非常に加速していました。

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それはFIT化。

 

FITとは 個人旅行(“Foreign Individual Tour”)の略称です。

 

FIT成熟市場となっている韓国や香港に比べると、台湾では団体ツアーの割合が高い状態が続いていました。

 

しかし、台湾旅行会社の団体ツアー担当者からはこのような声が。

 

 

台湾旅行会社
2016年の7月、8月の団体ツアーは壊滅的で困っています。台湾も不景気だし、FIT化が本当に進んでしまっていて。
昨年比の1/3にツアーの催行本数が減ってしまっているんです!

 

 

これまで台湾で団体ツアーが多かった理由

 

①キーエージェント制による低価格化

台湾には、キーエージェント制という制度があります。

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具体的には

  • 各航空会社が自社に友好的な旅行会社を20社~30社程グループ化
  • グループへ優先的に航空座席を割り当て。
  • チャーター便の航空座席を旅行会社に買い取ってもらう「座席買い取り制」を制定

 

することによって営業効率を高めてきました。

 

このように台湾の旅行業界は、航空会社とキーエージェントが相互に補完しながら発展してきたのです。

 

「座席買い取り制」では、旅行会社も売り切らなければ罰金が発生するため、旅行会社は一気に量をさばける団体ツアーの販売に力を入れます。

 

結果、各社の価格競争に拍車がかかり、気軽に団体で海外に行ける土壌が整いました。

 

②グループで余暇を過ごす国民性

台湾では、親しい友人、家族、親族で余暇を過ごすことを好む国民性を持っています。

加えて

  • 中高年層で安定した団体旅行需要がある
  • 旅行手配を省ける

ということもあり、団体ツアーのニーズが高かったのです。

台湾のFIT化が進んでいる理由

では長年の安定した団体ツアー需要から、なぜ台湾はFITにシフトしているのでしょうか??

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①日本での滞在コスト上昇

近年は訪日旅行需要の急拡大により日本での滞在コストが上昇しました。

これにより、団体ツアー価格が高騰し、FITとの価格差がなくなってきているのです。

 

 

②LCCの大量参入

2012年以降、運賃の安いLCCが日台路線に続々と参入しはじめました。

 

具体的には

  • 2012年 ピーチ・アビエーション
  • 2015年 タイガーエア・Vエア・ジェットスタージャパン

が日台路線に新規参入。

日台間就航便数全体の占めるLCCの割合が25%に。

 

安い航空券を個人単位で調達できるインフラが整いました。

 

③宿泊ホテルのネット予約環境が普及

日本のホテル予約サイト、楽天やじゃらんを使う台湾人が増えています。

今はクレジットカードを使えば国境を超えて決済できてしまいますからね。

 

参考:じゃらんで使えるクレジットカード

VISA・Master・JCB・Diners・AMERICAN EXPRESS(AMEX)etc

(出典:じゃらん

 

旅行会社を通さずとも宿泊先を確保できるようになったのです。

 

また、日本のツアーオペレーター宿泊予約システムと連動させた、個人旅行者向けの販売をする旅行会社もでてきています。

 

 

台湾FIT化を示す具体的なデータ

実際どれほどFIT(個人旅行)化が進んでいるのか?データで示したものが下記のグラフです。

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(出典:観光庁 訪日外国人動向調査

 

FIT(個人旅行)化が確実に進行していることが分かると思います。

 

 

FIT化に対する台湾旅行会社の集客戦略

急速に進むFIT化に対して台湾旅行社の団体ツアー担当者は、下記のように話していました。

台湾旅行会社

秋からは東北のツアーが増えるため、期待をしている。東北は個人ではなかなか観光しづらいため、団体ツアーのニーズは高い。ホテルが取れなく大変だが、これから挽回していきたい

 

急速に変化する旅行市場に合わせ、台湾の旅行会社は徐々にFITに力を入れ始めており、大手の可楽旅行社もついにFIT専門部署を6月に立ち上げました。

 

まとめ

  • 格安団体ツアーの価格高騰
  • LCCやホテル予約サイトの普及

により台湾では今後もFIT化が加速していくでしょう。

 

逆に個人レベルでは行きにくい地方については、旅行会社と協力することで魅力的なコンテンツになるポテンシャルがあります。

 

今日の一句

”ネット化で FIT化加速 旅行市場”

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