僻地でも年間2,000人のタイ人が殺到する北海道・歌登

 

北海道の人気観光地の一つである旭川から稚内方面へバスで3時間。北海道枝幸町の歌登にある「うたのぼりグリーンパーク」に近年、タイ人宿泊客が殺到している。

 

特別な観光資源があるわけではない歌登に、なぜ多くのタイ人が訪れているのだろうか?
ポイント
・旭川から北へ車で3時間とアクセスが悪く、観光資源も何もない町に年間2000人ものタイ人が訪問
・タイ人の富裕層の「日本を丸ごと楽しみたい」というニーズに柔軟に対応

・流しそうめん、和服・浴衣体験やナイトサファリなど様々なコンテンツを提供
・既存の地元客を大切にする姿勢でタイ人のお客様にも向き合う

たまたまのつながりがきっかけでタイ人観光客の誘致に

 

北海道北東部に位置する歌登は、北海道特有の自然豊かな牧草地が広がるだけで、目立った観光資源もなく、旭川からバスで約3時間とアクセスも悪い。そんな地域にある唯一のホテル、うたのぼりグリーンパークが近年にわかに脚光を浴びている。

 

きっかけは8年前の大幅な赤字営からの再建である。役所や補助金に頼っていた経営体制を民間委託することになったのである。その再生を請け負ったのが、温泉等の資源を利用して地域民の健康促進を行う札幌市のNPO法人健康保養ネットワークだった。

 

再建後は老人クラブ専用のバスを運行し、一人一人に対してカルテやモニタリングアドバイスメニューを提供する丁寧なサービスで地元民の心をつかんだ。これを機に、うたのぼりグリーンパークは地域民の健康拠点、及びふれあいの場としての機能も果たすこととなった。

 

では、なぜタイ人なのか。NPO法人健康保養ネットワークの中にはインバウンド支援事業部という部署がある。赤字経営からの打開策として、地元民の健康増進だけではなく、インバウンド誘客の展開を図った。ここで、とある縁からタイの旅行会社のガイドを紹介してもらい、北海道ツアー内の1泊2日で歌登が組み込まれることになった。初めからタイに焦点を絞っていた訳ではなく、たまたまのつながりがきっかけであった。

 

インバウンド事業規模は?

 

img2

 

2013年、年間1300人の来客があり、2014年は1500人にまで至った。客層はアッパー層と呼ばれる富裕層が中心で、2月と6、7月の繁忙期は最大、月に10本の予約をこなしている。しかし、ホテル経営全体におけるインバウンド事業は20%程度であり、今後もこのバランスは崩さないという。あくまで、第一に地元民を優先するという信念があるからだ。これは地元民のために毎月欠かさず、地元の方に向けてビール祭りや芸能人を招くイベント等を行っていることからも読み取れる。実際、インバウンド事業は利益率も低く、大掛かりな経営拡大は難しいと副支配人の小路氏は語る。

 

今後の事業展開としては、タイ周辺のベトナムやフィリピンへの市場拡大を目論んでいるが、タイ国内の需要も年々増加し予約が殺到しているという。それでも、地元民とビジネス客を追いやるようなことは避けたいため、少しのインバウンドと地元民向けの健康促進を両立させていきたいと考えている。

 

インバウンド成功の秘訣とは?

 

img3

 

このホテルの強みは”うたのぼりスタイル”ともいえる独自の経営理論にある。

 

常にお客様との対話にヒントを見出し、顧客目線の試行錯誤を継続して改善を重ねている。こういった地元民に寄り添う姿勢を、そのままタイ人にも適応している。

 

タイ人の価値観は日本人とは違うが、お客様の要望には柔軟に答えるよう努力している。もちろん、より良いサービスを創造し、継続するという点ではホテルを支えるスタッフにも恵まれていると小路氏は語る。例えば、ホテルの玄関に小さな鎌倉提灯を作るといった些細な気遣いの積み重ねが地元民の心をつかみ、タイ人をも魅了しているのだ。こういった独自の経営論を持つ”うたのぼり”は今後の地方宿におけるインバウンド活性の大きなヒントになるかもしれない。

 

 

旅行会社のコメント

 

歌登グリーンパークの魅力は日本の文化や体験を一日ですべて体験できるところである。浴衣や寿司にぎり、餅つき、たこ焼き、和太鼓などの体験コンテンツが満載で、これだけ一度に楽しめるのは歌登グリーンパーク以外にはない。

 

観光客の中にもそのおもてなしは大変好評であり、中にはリピートするお客さんもいるほどだ。

 

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter で地ブラ_インバウンド情報局をフォローしよう!

世界最大級の旅行博 ツーリズムEXPOジャパンに出展。


期間:2017年9月21日(木)~24日(日)
場所:東京ビッグサイト(東京国際展示場)  東7ホール ブース番号 W 16-06

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

香港、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピンのマーケットを担当している、 北澤と申します。 先日、香港の大手旅行会社へ訪問した際、 香港人の日本ツアー担当者の方に第一声「嵐の相葉くんに似てますね」と言われました。 日本の様々な魅力を世界に向けて発信すべく、アイドル張りに笑顔で頑張ります!